今シーズンモデルに標準装備されているトップロードタイプのステムについて、なぜ二種類のステムを導入したのかお話しします。左側のマットブラックのステムは、GRAVITYフレーム(69°モデル)用でステムリーチ55mm、クランプ径25.4mm、重量339gのステムです。そして、右側のポリッシュカラーのステムがFREESTYLEフレーム(72°モデル)用でステムリーチ45mm、クランプ径25.4mm、重量314gのステムになります。このステムのリーチサイズについては、ヘッドアングルとの関係性により大きく違いが出てきます。
まずGRAVITYフレームのように寝かせ気味のヘッドアングルのメリットとしては、高速域で直進安定性が高くバイクを倒しやすいため、急斜面でのコントロールが安定します。また、バンピーな雪面でのギャップから突き上げに対し、衝撃の入力が滑らかになり安定しやすいですが、立ち位置(ステップの位置)が後ろ気味になるため曲がり辛く感じたりボードの種類によっては前寄りの取付け位置になってしまうため、若干セッティングがシビアになってしまいます。それらのデメリットを少しでも緩和するためにやや長めのステムをセッティングしました。ステムのリーチが長くなることで自ずとフロントボードに重心がかけやすくなり、慣れていない初心者の方でもハンドルを軸にターンがし易くなります。そして、自然に前乗りなるので自然に基本姿勢を保てるようになります。また、全長が長いので回転範囲が広くなりクイックすぎない安定したハンドリングを得ることが容易になります。
一方アングルが立っているFREESTYLEフレーム(72°)は、クイックなハンドリング操作が可能になり圧雪バーンでのトリックやパークで車体を上に弾きやすくなるためジャンプがやり易くなります。また、初心者でもハンドルの重心を持ってくるだけでターンがし易くなるのも特徴です。その反面、高速域でハンドリングがクイックすぎて安定しづらいかったり、急斜面では過剰にフロント荷重になってしまいます。それらを解消するために、短いステムを使うことで回転範囲が狭くし急斜面でのターンをクイックコントロールできるようになります。また、カービング時には重心を低くし易くなるので、バイクを倒したエグ〜いカービングターンを楽しむことが出来ます。さらにパウダーエリアではリアボードに荷重を掛けやすいので、深雪での浮力が高くなります。
これらの違いについては利用されるハンドルバーのハイト(全高)やレングス(全長)によりまた違いが出てきますが、たかが10mmの差を信じるか信じないかはあなた次第です。是非参考にしてみて下さい!